かばんの歴史

創業から100年以上、私たちは流行を追うのではなく、本当に必要とされているかばんを作り続けてきました。
今も変わらず、職人の手で丁寧に作られるかばんたち。全く変わらず作り続けている形もありますが、時代とそしてお客さまのご要望と共に、少しずつ変化していったかばんもあります。
そんな私たちの定番かばんの一部をご紹介します。
  • 道具袋
  • 牛乳配達かばん
  • 氷袋
  • 酒袋
  • 道具袋
    原型
    職人の道具入れとして作り始めたのが、通称「道具袋」。100年以上も作り続けている型で、昔からの定番といえるかばんです。
    昔は京都の町の職人たちが自転車のハンドルにかけて使うことが多かったので、今より持ち手を短く作っていました。その頃は、左官屋さんや、薬屋さんなどが、お店の屋号や電話番号をかばんに大きく印刷して京都の町の職人たちに配っていました。そのかばんが町で使われることで、動く広告塔となり、それぞれのお店の宣伝となりました。
    さまざまなサイズを展開
    お客さまのご要望をお聞きし、今ではさまざまなサイズのかばんが出来上がりました。
    • 17
      No.17は前ポケットが付いたシンプルな形状のかばん。A4が横に入るCサイズから、大きな画板が入るGサイズまで5サイズ展開。E~Gには口元を閉めるためのハトメと綿ひもが付きます。
    • H-05
      No.17とデザインは同じですが、より薄手の帆布を使用し、口元の縫い方や金具などの細部が異なります。01~03の3つの大きさがあります。
    柄物を展開
    今では「木季のうつろい」「翠水玉」といった柄物は10種類以上を展開。職人用の道具袋としてだけではなく、お出かけの装いにも広くお使いいただけます。
    • N-05 大
      No.17C、H-05(03)のポケットを外ではなく内側につけることで、柄行きを活かしたデザインにしています。
    • N-06(03)
      N-05 大と同様に柄を生かしたデザインで、厚手の帆布を使用しています。大きさは3サイズを展開。
    牛乳配達かばん
    原型
    「牛乳配達かばん」は、牛乳瓶を配達するために作られたかばんで、底が円型になっています。自転車があたってこすれる部分を二重にして「×」縫いで補強。中で牛乳瓶が割れた時に牛乳がたまらないよう、底に穴が開けられていました。かつては京都中の多くの牛乳店が使用していたかばんで、35年ほど前から、一般の方にも使われるようになりました。
    「×」縫い部分をポケットに改良
    268
    牛乳配達のために生まれたかばんから、お客さまの要望に応えて、派生型が生み出されました。もともとの牛乳配達袋(20本用)の補強部分を使いやすいようにポケットにしています。お部屋で本や小物を入れたり、風呂桶を入れて銭湯に行ったりと、用途はさまざまです。
    形はそのままに使い勝手良く
    68
    持ち手がロープから帆布になりました。ファスナー付きの内ポケットもあり、使い勝手が向上しました。
    丸底を楕円形に改良
    168
    より体に沿って持ちやすいように底を楕円形にし、貴重品などを入れるファスナー付きの内ポケットを付けました。口元はひもで結べるようにしています。
    柄物を展開
    N-07
    No.68と同型で、柄帆布が使用されたタイプです。「世界のカバン柄」、「翠水玉」、「アトム柄」の3種7パターン。
    2色のカラーリングに
    H-04
    No.168を2色使いの色展開でポップな雰囲気にしたものが、H-04です。また、柄物の帆布が使用されたN-04があります。
    氷袋
    原型
    昭和初期に電気式が登場する前の冷蔵庫は、氷を入れて冷やす仕組みで、製氷店が切り出した氷をリヤカーなどで店や家庭に配達していました。
    その際、氷屋さんが氷を運ぶかばんとして作られたのが、この「氷袋」です。
    大小2サイズ、口ひもをプラス
    93
    大は8貫目(約32kg)、小は4貫目(約16kg)の2サイズを展開。綿ひもで口元を閉じることができるようにしました。アウトドア用品などを入れて運んだり、部屋に置いてお子さまのおもちゃ入れとして使っている方も。昔は氷屋さんは力持ちだったのか、8貫目の袋をよく使っていましたが、今では、4貫目の袋がほとんどです。
    一般向けサイズに改良
    H-22
    No.93を一般向けに使いやすいサイズのトートバッグに改良したものが、H-22です。マチを狭くして、全体に小さいサイズに改良。汚れやすい、持ち手と底部分は、濃い色の配色にしています。
    酒袋
    原型
    お酒やお酢など一升瓶を配達するための「酒袋」。昔は、酒蔵がお酒の名前を入れて、酒店などに配っていたようです。これも動く広告塔になりました。
    底板・底鋲で丈夫さアップ
    かばんに底をつくり、丈夫さ・使い勝手をアップしたことで、酒店はもちろん今では普段使いとして、一般の方にもよくお使いいただいています。お弁当を入れて通勤に使っている職人もいます。
    • 57
      底に板が入っているほか、底鋲が打ってあります。ロープを伸ばせば肩にかけて使うことも。
    • 18
      No.57よりもひと回り大きく、一升瓶2本を入れるのにちょうど良いサイズ。昔は一升瓶を密封できずこぼれやすかったため、あえて口元が少し出るようにしていました。
    柄物を展開、オプションで中仕切りも
    • N-10
      No.57と同型で、柄物の帆布を使用したのがN-10。ワインボトルが2本入るサイズです。別売りの中仕切りクッション、A-10中仕切り 小を使えば、高さのあるものも安定して持ち運びが可能。仕切りは取り付け位置を自由に変えられます。