かばんの歴史
創業から100年以上、私たちは流行を追うのではなく、本当に必要とされているかばんを作り続けてきました。
今も変わらず、職人の手で丁寧に作られるかばんたち。全く変わらず作り続けている形もありますが、時代とそしてお客さまのご要望と共に、少しずつ変化していったかばんもあります。
そんな私たちの定番かばんの一部をご紹介します。
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- 道具袋
- 牛乳配達かばん
- 氷袋
- 酒袋
牛乳配達かばん
「牛乳配達かばん」は、牛乳瓶を配達するために作られたかばんで、底が円型になっています。自転車があたってこすれる部分を二重にして「×」縫いで補強。中で牛乳瓶が割れた時に牛乳がたまらないよう、底に穴が開けられていました。かつては京都中の多くの牛乳店が使用していたかばんで、35年ほど前から、一般の方にも使われるようになりました。
「×」縫い部分をポケットに改良
268
牛乳配達のために生まれたかばんから、お客さまの要望に応えて、派生型が生み出されました。もともとの牛乳配達袋(20本用)の補強部分を使いやすいようにポケットにしています。お部屋で本や小物を入れたり、風呂桶を入れて銭湯に行ったりと、用途はさまざまです。
形はそのままに使い勝手良く
68
持ち手がロープから帆布になりました。ファスナー付きの内ポケットもあり、使い勝手が向上しました。
丸底を楕円形に改良
168
より体に沿って持ちやすいように底を楕円形にし、貴重品などを入れるファスナー付きの内ポケットを付けました。口元はひもで結べるようにしています。
柄物を展開
N-07
No.68と同型で、柄帆布が使用されたタイプです。「世界のカバン柄」、「翠水玉」、「アトム柄」の3種7パターン。
2色のカラーリングに
H-04
No.168を2色使いの色展開でポップな雰囲気にしたものが、H-04です。また、柄物の帆布が使用されたN-04があります。
氷袋
昭和初期に電気式が登場する前の冷蔵庫は、氷を入れて冷やす仕組みで、製氷店が切り出した氷をリヤカーなどで店や家庭に配達していました。
その際、氷屋さんが氷を運ぶかばんとして作られたのが、この「氷袋」です。
大小2サイズ、口ひもをプラス
93
大は8貫目(約32kg)、小は4貫目(約16kg)の2サイズを展開。綿ひもで口元を閉じることができるようにしました。アウトドア用品などを入れて運んだり、部屋に置いてお子さまのおもちゃ入れとして使っている方も。昔は氷屋さんは力持ちだったのか、8貫目の袋をよく使っていましたが、今では、4貫目の袋がほとんどです。
一般向けサイズに改良
H-22
No.93を一般向けに使いやすいサイズのトートバッグに改良したものが、H-22です。マチを狭くして、全体に小さいサイズに改良。汚れやすい、持ち手と底部分は、濃い色の配色にしています。
酒袋
お酒やお酢など一升瓶を配達するための「酒袋」。昔は、酒蔵がお酒の名前を入れて、酒店などに配っていたようです。これも動く広告塔になりました。
底板・底鋲で丈夫さアップ
かばんに底をつくり、丈夫さ・使い勝手をアップしたことで、酒店はもちろん今では普段使いとして、一般の方にもよくお使いいただいています。お弁当を入れて通勤に使っている職人もいます。