カバン・袋物・帆布加工一式 一澤信三郎帆布

信三郎のええかげんな話

Date 2016.06.06

#54 競馬のゼッケン

京都競馬場は、去年で開設90周年やったそうです。
うちの親父が、「競馬でみんなたいがい損しとるけど、儲けさしてもろてるのは、うちぐらいやな・・。」と昔によう言うてました。
というのは、競馬場からゼッケンの注文をもろうてたからなんです。
長いこと、競馬のレース用のゼッケンと、調教用のゼッケンを納めてたんです。
私が中学、高校の頃にぎょうさん注文をもろうてました。帆布を裁断してゼッケンの形に縫い上げて、そこに番号を縫い付けます。フェルトでできた番号をミシンで四重に縫い付けるのはなかなか難しくて、職人が帆布をぐるぐる回して【5】や【8】を縫っていたのを覚えています。
その時代の名残りが、うちの店の定番の「紫色」。重賞レースの天皇賞のゼッケンの色で、今でもうちでは「天皇色」とよんでいます。

今から10年ほど前に、テレビの『行列のできる法律相談所』の京都番外編で、うちの店が取り上げられました。武豊さんがゲストで登場して、自分が欲しいかばんをリクエストしはって、その時作ったのが、「ゼッケン型のかばん」でした。持ち手にはその頃に大活躍していた「ディープインパクト」の蹄鉄を付けるという、贅沢なかばんやった。うちの職人が、蹄鉄をかばんに付けるのに四苦八苦してました。かばんには武さんのラッキーナンバー【6】を縫い付けてあります。
おもろいかばんなんで、製品にしたいなーと思ってるんですが、金属製の蹄鉄は夏の日差しでは、もの凄く熱くなるやろうし、冬に北海道で持ったら、凍って手にくっついてケガしそうやし・・・残念ながら中断してます。
武豊さんは、今年デビュー30周年やそうで、美術館「えき」KYOTOで、30周年記念の武豊展(5月27日~6月12日)が開催されてます。記念のミュージアムグッズを作らせてもろうてるのも、不思議なご縁です。

そやそや、学生時代にゼッケンを納品に行った折に、段ボール箱に詰めたビール瓶のようなものがありました。
「これ、何ですか?」
「馬の浣腸や」との答えに、目が点に・・・。