カバン・袋物・帆布加工一式 一澤信三郎帆布

信三郎のええかげんな話

Date 2016.04.08

#52 エモリー大学のみなさん

先月、アメリカのアトランタにあるエモリー大学の、ビジネススクールの先生と学生さんたち約30人が、うちの工房見学に来てくれました。
発端は、エモリー大学の職員で、ご両親は神戸出身の日本人ですが、ご本人はアメリカ生まれアメリカ育ちという方からのFAXでした。彼のところに遊びに来た京都の友人がうちのかばんを持っていて、その友人から京都に変わったかばん屋があると聞いて、えらい驚いたそうなんです。
それは、「全世界でたったひとつのお店しかない」「インターネットで商品の販売をしていない」「100年以上ビジネスを保ち続けている」アメリカでは全く考えられない商売のありようにびっくりしはったらしい。
日本の文化、伝統、ビジネスを学びに、1週間のスタディツアーの中で訪ねたいとのことでした。
来日しはる前に、メールでびっくり仰天する質問状が届きました。
・過去10年間で御社のビジネス・ストラテジー(経営戦略)を最も変化・進化する必要があった点は何ですか?
・御社は日本人のダイナミックなスタイル変化に、どのようについていくのでしょうか?
・御社は現在、事業拡大の計画はありますか? 事業拡大の計画にグローバル戦略は含まれていますか?
・今の日本では「トレンディ」と「クラシック」、より多くの利益を得ているのはどちらですか?

・・・こんなわけのわからん質問が20問も並んでました。
私が普段考えもしてへんことばかりで、答えられるわけもありまへん。うちの工房を見学して、私のええかげんな話を聞かはってから、何でも質問してくれたらええ、と何にも返答せんままにその日を迎えました。

アメリカ人が、理解できんで驚くのは、事業を拡大すればもっと儲かるのに大きくせんことやそうです。私が「ぎょうさん儲けても、一日にご飯は3回しか食べられへんやろ。」と答えたら、通訳の人が目を白黒させてはった。アメリカでは、会社を起業しても、買い手がやってきたらすぐに売却、合併、吸収合併の方向に進んでしまうんやそうで、日本のように、何代も続けることに価値を見出さへんようです。
「時代を先取りし続けることなんかできへんし、遅れ続けようと思ってます。」と言うたら、爆笑やった。おもろい商売やと思ってくれはったんか、みなさん帰りに、たくさんのかばんを買うてくれました。

私が発した英語は、「ユーアーウエルカム」と「シーユーアゲイン」のみ。