カバン・袋物・帆布加工一式 一澤信三郎帆布

信三郎のええかげんな話

Date 2017.11.17

#74 緑の手

うちの工房の屋上に、小さい庭があります。空いたスペースに、いろんな好みの草木を植えています。初めて訪れた五島列島にある久賀島(ひさかじま)の崖っぷちに、強風にさらされながら黄色い菊が凛々しく可憐に咲いていました。その過酷な環境はまさに “疾風に勁草を知る” でした。
一本だけ持ち帰って植えたら、知らん間にぐんぐん増えて、狭い庭の特等席を席捲しています。居心地が良かったんやろか。野生種の菊なんで、ええ香りがするんです。

毎日水をやりながら「きれいに咲きや」と声をかけてると、毎年花芽の多少はありますが、よう咲いてくれます。
春先は、マンサク、サンシュウ、ミツバツツジ、笹百合、梅花うつぎ、夏は山紫陽花、桔梗や吾亦紅(われもこう)、宗旦むくげ。秋は、貴船菊や江戸ホトトギス、笹竜胆(りんどう)もたくさん花をつけてくれました。冬になれば、侘助の白や薄桃色の花が楽しみです。藪椿も素朴で風趣があります。
花が終わると、「ご苦労さんやったな、来年も頼むえ」と、肥料をあげます。たまにメジロが “つがい” で訪れてくれます。

花を育てるのが上手な人のことを、「緑の手を持つ」と言うそうなんやけど、女性との関わりは、なかなか花のようにはうまいこといかへん。花が育つように女性もうまいこと育ってくれたらええんやけど・・。
花の好きな友人といつも言うてるんです。「花はええなあ、文句も言わんし、カードも使わへんし・・。」