左:屋号がプリントされた当時の道具袋
右:昭和20年代の新聞広告

うちのかばんの中で最も古く、なんと100年以上前から作り続けているかたち。
もともとは、大工さんや左官屋さんなど、職人の道具入れとして作られ、通称「道具袋」。

昔はお客さんの屋号や、商品名をかばんに大きく印刷していました。
テレビもインターネットもない時代は、そのかばんを自転車のハンドルにさげて街を走ることが、宣伝広告になったのです。
生地の厚さは2種類。大きさは7種類。ポケットは潔く前にひとつだけ。
05シリーズは、薄手の帆布を使っているので、丈夫さはもちろん、軽く肩にもかけやすいのが特徴。
厚手の17シリーズは、帆布らしいしっかりとした厚みと、太くてまっすぐなステッチがポイントです。
他では見られないような大きなサイズは、画板や図面が入るので特別なお仕事用としても、キャンプ用品を入れてアウトドアに、スポーツジムにと趣味用のかばんとしても、活躍してくれます。
たくさんの使い込まれた道具袋が、毎月修理にもどってきます。
長いものでは40年以上前のものも。

日常生活の中、丁寧に使われて、穏やかな表情でもどってくるかばん。
使い手と厳しい環境や仕事を共にし、たくましい表情でもどってくるかばん。
一つとして、同じ「かお」はありません。

100年経った今でも、同じ形を作り続けています。
左:現在の道具袋
右:100年前の道具袋